はじめに
プロジェクトマネジメントの知識体系「PMBOK」において、最初に登場するのが**統合マネジメント(Integration Management)**です。
「なぜ“統合”が最初なのか?」
「他の知識エリアとどう違うの?」
そんな疑問を持つ方も多いかもしれません。
この記事では、統合マネジメントの基本から、実務での活かし方、プロジェクトマネージャー試験(PMP/PM)対策として押さえておくべきポイントまで、わかりやすく解説します。
統合マネジメントとは?
統合マネジメントは、プロジェクト全体の計画・実行・監視を“バラバラにせず一つにまとめる”ための知識エリアです。
PMBOKでは次のようなプロセスが含まれます:
プロセス | 主な役割 |
---|---|
プロジェクト憲章の作成 | プロジェクトの正式な開始と承認 |
プロジェクトマネジメント計画書の作成 | すべての知識エリアをまとめた総合計画 |
プロジェクト作業の指揮・マネジメント | 実行段階の進行管理 |
プロジェクト知識のマネジメント | 経験やナレッジの共有と活用 |
作業の監視・コントロール | 状況把握と是正措置の判断 |
統合変更管理 | 変更要求の影響評価と承認・却下 |
プロジェクトやフェーズの終結 | 成果物の受け渡しと教訓の整理 |
なぜ統合が重要なのか?
プロジェクトでは、範囲・コスト・スケジュール・品質など、複数の要素が絡み合います。
例:
- スケジュールを短縮すれば、コスト増になる可能性がある。
- 品質要求が高ければ、範囲も広がるかもしれない。
こうしたトレードオフを判断し、最適解を選ぶのが統合マネジメントです。
いわば、**他の知識エリアをつなぎ、意思決定を支える“司令塔”**的な役割を果たします。
実務での活用イメージ
あなたが副業や本業でプロジェクトを任されたとしましょう。
「要件追加の相談が来た」
「スケジュールに遅れが出ている」
「上司から変更要求が出た」
こうした場面で、どのような影響が全体に及ぶのかを整理し、関係者と合意形成を図るのが、統合マネジメントの実践です。
試験対策のポイント
プロジェクトマネージャー試験では、以下のような視点が問われます:
- プロジェクトマネージャーの責任:意思決定と全体調整
- 統合変更管理の流れ:変更要求 → 影響評価 → CCB(変更管理委員会) → 承認/却下
- プロジェクトマネジメント計画書と補助計画の違い
- 成果物の受け渡しと教訓の整理が終結プロセスで重要
まとめ
統合マネジメントは、プロジェクト成功の“鍵”を握る知識エリアです。
単なる「とりまとめ」ではなく、全体を見通し、調整し、導く力が求められます。
プロジェクトを円滑に進めたい方、PM試験に合格したい方は、まずこの「統合マネジメント」の理解から始めましょう!