プロジェクトを円滑に進めるには「人」や「物」といった資源をいかにうまく扱うかが重要です。PMBOK(Project Management Body of Knowledge)では、これを「資源マネジメント」として体系的に整理しています。
この記事では、PMBOK第6版/第7版の考え方をベースに、現場での活用イメージを交えながら「資源マネジメント」の基礎をわかりやすく解説します。
資源マネジメントとは?
「資源マネジメント」は、プロジェクトで必要な**人材(チームメンバー)や物理的資源(設備、ソフトウェア、資料など)**を計画し、確保し、適切に活用・管理するための知識エリアです。
PMBOKでは主に以下のようなプロセスで構成されています(第6版基準):
- 資源マネジメントの計画
- チームの獲得
- チームの育成
- チームのマネジメント
- 物的資源の管理
実務SEの視点で見る資源マネジメントのポイント
① 資源マネジメントの計画
- 目的: どんな人・物が必要か?いつ、どれだけ必要かを見積もる。
- 現場での活用例:
- タスク一覧を洗い出して、誰に何をいつまでにお願いするか割り当てる。
- 外注やクラウドリソースの手配が必要な場合は早めに見積もる。
② チームの獲得(Acquire Resources)
- 目的: 必要なスキルを持つメンバーやリソースを確保する。
- ポイント:
- 社内で調整するか、外部ベンダーに依頼するか。
- 副業や外注を活用したプロジェクトでも重要。
③ チームの育成(Develop Team)
- 目的: チームの能力を高め、士気やパフォーマンスを向上させる。
- 現場でできること:
- レビューやペアプロで相互スキルアップ。
- 小さな成功体験を共有してモチベーションを維持。
④ チームのマネジメント(Manage Team)
- 目的: チームの進捗・成果・関係性を継続的に見守り、必要な調整を行う。
- ツール例:
- 毎日の朝会(スタンドアップミーティング)
- タスク管理ツール(Backlog、Trello、Jiraなど)
⑤ 資源のコントロール(Control Resources)
- 目的: 資源の使用状況を監視し、問題があれば対応する。
- ありがちな課題:
- 開発サーバの台数不足
- 貸与PCのスペック不足
- ライセンス数の上限超過
副業プロジェクトでも活きる考え方
資源マネジメントは大規模案件だけの話ではありません。
たとえば、あなたが副業で小さな開発案件を受けたとします。
- 自分の時間(人材)をどう割り当てるか?
- スプレッドシートで足りるか、それともツール導入が必要か?
- 必要に応じて外注に出すか?
といった判断に、この知識がそのまま使えます。
まとめ:資源マネジメントは「限られた戦力で最大の成果を出す」ための技術
PMBOKの資源マネジメントは、単なる理論ではなく、実務にそのまま落とし込める知恵の宝庫です。
「今あるリソースでどう乗り切るか?」
「この体制で本当にゴールできるのか?」
そんな悩みを抱えたとき、ぜひ一度この考え方に立ち返ってみてください。